Destruct Tapes#1

Destruct Tapes#1

Destruct Tapes

BANDS

RGB forever

東京拠点に活動する映像作家/トラックメイカー。

Waater

秋田出身の5人組インディーロックバンド。2018年結成。

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INTERVIEW for Waater

ー結成の経緯を聞かせてください。
Akiyama: 僕がもともとWaaterとして1人で活動していて、偶然ギターのSionとバンドでやってみようという話になり、同郷秋田の友達に声をかけて2018年3月に現体制のバンドとして活動するようになりました。

ーバンドの音楽性を形成するにあたり最も影響を受けたカルチャーについて教えてください
Sion: 前からマイノリティが集まって作り上げるカルチャーみたいなのが凄く好きで、パンクとかレイヴの感じとか、日本だと天井桟敷とか共感できる。そういう感じで今1番格好良いと思ったことを自分たちでやってこうっていうムードはあると思います。

Akiyama: 僕は音楽のカルチャーが1番好きなので、あらゆる音楽から影響を受けています。具体的に何かというと説明しきれないですね..けどまあ音楽に限らず最高って感じたもの全てに影響は受けてます!
最近のことでいうと、ここ数ヶ月ずっと電子音楽を聴いていたせいか、旧来のバンドサウンドが逆に新しく感じていて、改めて70年台後半のNYのパンクバンドや80年台に密かに活動していた、いわゆるネオアコのアーティスト(Another Sunny Day, Brighterなど)を聴きなおして刺激を受けています。

ー曲はいつもどうやってどんな時に書いていますか?歌詞の世界観についてもお伺いしたいです。
作りたい時に作るようにしてます。その方が自然なものが作れると思うし、そういう時にアウトプットしたものが1番自分が納得できる気がします。僕は作らなきゃっていう義務感みたいなものはすごく苦手なので、自分の自然体で吐き出すというかそういう作り方が好きだなって最近は思います。だから歌詞もその時感じていることだったりを書いてるのみですね。

ーアートワークやデザインに対する考え方やについて教えてください
Sion:ミスマッチ感を出すことと、自然と今の時代感が出れば良いなってのはあります。でも大体は普段遊んでるノリで案が出てきます。
Akiyama:アートワークなど視覚的な要素は楽曲と並ぶくらい重要だと考えています。当たり前ですけど、やっぱりそれがあるのとないとでは曲の聴こえ方や浮かぶイメージがまるで変わりますし。とにかく、僕は単純にかっこいいものを作らなきゃ納得がいかないので、自分達の感覚を信じながら今の時代がどうだろうとそれだけは絶対に曲げたくないです!

ー今現在メンバー間で注目しているものなどあれば教えてください
Sion: ハウスとトランス。アートとして率直だと思います。直感的に自分らを信じてもっと自然でいいなって最近思うきっかけになりました。
Akiyama: あとTelevisionみたいな音数は少ないけどソリッドでシンプルなバンドサウンドにも注目しています。

ーコンピ収録曲について教えてください
Sion: 一年前くらいからライブでやってる曲です。
Akiyama: これはSionが断片的に作ったトラックを僕が色々と付け加えて完成させました。Waaterとしては初の共同制作で完成させた一曲ですね。自分達を信じて活動していこうという決意表明的な曲なので、今回の機会にはぴったりだと思い選定しました。

ー今後の予定を聞かせてください
近々2曲シングルとその後に大きめの作品を出す予定で準備しています!

The Cabins

2018年結成。翌年4月より新宿LOFTを中心に本格的なライブ活動を開始し、その耽美的で衝動的な音楽は東京のアンダーグラウンドシーンにおいて着々と人気を集める。 2020年5月にはついにバンド初のフィジカル版EP『I Remember Everything』をリリース。音楽の一元的なジャンル分けの必要性が希薄になる中で、氾濫する情報からインデペンデントな感性を編み出しそれらを実践する姿勢を、陰りを帯びた華麗さで提示した作品である。

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INTERVIEW for The Cabins

ー結成の経緯を聞かせてください。
高校時代からの友人であった牧野(vocals/guitar)とseven(guitar)が、大学に進学してから出会ったヴィンセント(bass)と天野(drums)を誘いました。シンプルな流れですね。

ーバンドを形成するにあたり最も影響を受けたカルチャーについて教えてください。
The Cabinsを特徴付ける要素の一つが、音楽にしろ文学にしろ、メンバーの好みが大きく異なることです。私(牧野)の場合、結成年2018年の段階ではイギリスのロックと即答していたであろう本質問ですが、もはや何に影響を受けたのだか把握していませんし、というか挙げ出したらキリがないので、またの機会にということでご勘弁ください!好奇心旺盛なので大体のものは面白いです。最近よく聴くのはシュラーガーと、文学ではコクトーの小説作品ですね。

ー曲はいつもどうやってどんな時に書いていますか? また、歌詞の世界観についてもお伺いしたいです。
泥酔時に書き散らしたものを素面になって執念深くまとめる作業です。今読んでみると、結構軽快な感じですかね、笑えちゃう悲劇みたいな。前もって言うと、教訓めいたことはありません。ただ、個人的に真意は添えたつもりで、それがとんでもなく醜悪でした。なんて可能性はあるんです。

ーアートワークやデザインに対する考え方について教えてください。
アートワークやデザインは音楽と同等に取り組んでいます。相互の関係でThe Cabinsの世界をより精密に表しますし、なにより皆んなそうやって音楽を聴いてきたではありませんか。

ー今現在メンバー間で注目しているものなどあれば教えてください。
今後の音楽シーンの行方に限ります。大変な状況ですが、仲間と力を合わせてやっていきたいです。

ーコンピ収録曲について教えてください。
The Door of Reminiscence でバンド初のMVを作成しました。回顧がテーマの曲です。

ー今後の予定を聞かせてください。
幾つか配信ライブの予定があります。初めての試みなのでどうなるか分かりませんが、新しい演奏の形にワクワクしています。

Psychoheads

2019年結成
近日1st EP "Lost Everything"リリース予定

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INTERVIEW for Psychoheads

ー結成の経緯を聞かせてください。
大学のサークルで知り合って、僕(Hitoshi Violet)が見た目がかっこいいと思った今のメンバーを誘いました。

ーバンドの音楽性を形成するにあたり最も影響を受けたカルチャーについて教えてください。
メンバーそれぞれ聴いてきた音楽は違ったのですが、僕がバンドをやる際に1番影響うけて、他のメンバーにも共有していたのはThe Jesus and Mary Chain です。他にも70sのパンクやガレージリバイバルのバンドなどにも影響を受けています。あとファッションはみんな好きだと思います。

ー曲はいつもどうやってどんな時に書いていますか? 歌詞の世界観についてもお伺いしたいです。
曲は少し前まで、書こうって言う時間を作っていなくて、無になったときに自然と湧いてきたメロディーから曲にしていました。 歌詞も同じで自然と書けそうなときに書くことが多いのですが、僕のその時の感情がそのままでてることが多いと思います。

ーアートワークやデザインに対する考え方について教えてください。
僕たちの音楽やスタイルに合うって言うことも必要だし、僕たちらしい違和感や気持ち悪さもカッコ良さとして活かしたいと思っています。

ー今現在メンバー間で注目しているものなどあればえてください。
Fontaines D.C.はみんな好きです。

ーコンピ収録曲について教えてください。
誘ってもらったときに1番最新でできた曲で、自分達の今の感覚に1番近いと思ったし、気に入っていたから早く世に出したかったって言うのがあります(笑)

ー今後の予定を聞かせてください。
来月あたりに1st EPをリリースする予定です。 その収録曲のMVも何本か出す予定です。 自主企画のリリースパーティーなどもやりたいなと思っています。

NEHANN

2019年結成。東京を拠点に活動する5人組ポストパンクバンド。
凍りつくサディスティックなサウンドに重たく烈しいボーカルを絡ませ、ネオンライトの下で混沌の美を詠う。

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INTERVIEW for NEHANN

ー結成の経緯を聞かせてください。
オダ: 僕とボーカルのヒロが長野県の同じ村の出身で、もう1人のギターのトムは、ヒロとアメリカで留学先のシェアハウスの部屋がたまたま同じで出会い、まずはその3人が集まりバンドを始めようとなりました。あとは友達のベースとドラムに声をかけてネハンが始まりました。

ーバンドを形成するにあたり最も影響を受けたカルチャーについて教えてください。
クワヤマ: ブレードランナーとAKIRAです。両作品共に時代設定が2019年で、NEHANNも結成が2019年なので意識してます。この二つの作品に登場するようなサイバー大都市の濡れた薄汚い路地裏のクラブやバーなどで演奏しているロックバンド、というのがこのバンドの主なコンセプトです。

ー曲はいつもどうやってどんな時に書いていますか?歌詞の世界観についてもお伺いしたいです。
クワヤマ: 曲は日常的に作ってます。バイトから帰ってきて晩ご飯食べたら大体パソコン開いて何かしらフレーズ作ったり、作曲途中の曲の続きを作ったりしてます。歌詞は色々で、形而上学的なもの、ニヒリズム、個人的な日常の事、頭の中にあるカオスな映像とストーリーを描写したものなどです。

ー物販にレザーバッグがあって衝撃を受けたんですが、物販はいつもメンバーで考えていますか?またアートワークやデザインに対する考え方やについても教えてください。
オダ: 何を作るか何を出すかなどは基本的に最初に僕とヒロで話して、それをメンバーに投げて進めていきます。レザーバックはたまたま友人がバックを作っていたので、彼から提案してもらい物販に出してみました。他デザインなどは基本的に全てヒロが作っています。
クワヤマ: アートワークによってバンドの視覚的な世界観の大部分が創られるので、こだわりを持ってバンドのイメージに合ったものを作ってます。

ー今現在メンバー間で注目しているものなどあれば教えてください。
オダ: サウナです。ヒロとベースのタイセイと高円寺のサウナによく行きます。あとサウスロンドンの音楽シーンは面白いですね。

ーコンピ収録曲について教えてください。
クワヤマ: Concealmentは昨年の12月終わりごろに中国でコロナウイルスが流行し始めた頃、武漢ウイルス研究所発生源説が浮上し始めた際に書いた曲です。世界で巻き起こっている物事の全ての真相を我々一般市民が知ることは残念ながらできません。一対一の人間関係ですら時に隠し事があるのだから、政府や大企業などの大きな組織にも隠し事があって当然だと思います。個人的にはコロナウイルスが肉市場のコウモリから伝染したという説はあまり信じられません。

この曲を初めてライブで演奏したのが1/29のWOOMAN主催Destruct Session#1 だったのと、この曲を書いていた頃はまだ他人事だったコロナが結局自分たちの生活に大きな影響を及ぼしたこと、それによって生じたいろんな感情や日々の出来事の記録、表現として今回コンピの曲に選定しました。

ー今後の予定を聞かせてください。
オダ: ライブがまだ出来ない分、今は制作に力を入れています。秋冬あたりには大きな作品が発表出来たらなと考えていますのでお楽しみに。

Us

Ken truths、TRASH 新 アイヨシ、Akiyaの3人を中心に活動するオルタナティブ・ロック・プロジェクト。Waaterと共にパーティ/アーティスト団体"SPEED"を主催。日夜、ダンス・ミュージックとしてのロックの可能性を探求している。

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INTERVIEW for Us

ー結成の経緯を聞かせてください。
Waater Parkへの出演が決まったことをきっかけに、かねてから親交があったメンバーに声をかけて。

ーバンドの音楽性を形成するにあたり最も影響を受けたカルチャーについて教えてください
Red Hot Chili Peppers、レイヴ、ハードコアなど。

ー曲はいつもどうやってどんな時に書いていますか?歌詞の世界観についてもお伺いしたいです。
インスピレーションが湧いたとき。最近はDTMで制作したデモのデータを送り合い、作り込んでいくことが多いです。歌詞は実体験をベースに、曲ごとに再現したい感情やムードを言葉に落とし込めています。

ーアートワークやデザインに対する考え方について教えてください。
スタンスや世界観を表現し、直感的に印象を左右するもの。曲作りよりも悩むことが多い。

ー今現在メンバー間で注目しているものなどあれば教えてください。
YouTubeのslowed & reverbed

ーコンピ収録曲について教えてください
Usのミクスチャー的なスタンスがよく現れている一曲。音割れするくらい爆音で聴いてほしい。

ー今後の予定を聞かせてください。
8/15に奈良で演奏します。関西の人はぜひ。

DUPPSY

2011年より仙台のクラブイベント、AFTER DARKでDJ経験を経て、2016年より拠点を東京に移し、音楽制作を開始。2016.2017年にsoltude solutionのコンピレーションカセットに参加。2019年9月に自主レーベル「studio132」より6曲入りのカセット、「There you where」をリリースした。

INTERVIEW for DUPPSY

ー音楽活動を開始した経緯を聞かせてください
自分が高校生の時に中学の時の先輩だった人からイベントをするからDJで出てくれ。と、誘われたのがきっかけです。

ー自身の音楽を形成するにあたり最も影響を受けたカルチャーについて教えてください
アーティストだとSFV Acidです。2012年に100%SilkからリリースされたGrownが衝撃で、そこからAcidHouseにハマってって自分でも曲を作り始めるようになりました。

ー曲はいつもどうやってどんな時に制作していますか?
仕事終わり・休日問わず、イメージが沸いて作りたいと思った時に思う存分やるというスタンスでマイペースに進めています。

ーアートワークやデザインに対する考え方についても教えてください
アートワークやデザインは音楽と同等に重要な物だと思っています。どのアーティストの作品でも、音楽と同じくらい気遣いと創造性を持っているなと感じています。

ー今現在注目しているものなどあれば教えてください
久しぶりに聴いたtiger&woodsの新譜がかなり好みでNu Discoをまたたくさん聴き始めています。

ーコンピ収録曲について教えてください
少し前に作った曲です。普段はあまりしませんが、ギター・ベース・シンセを生引きで録音しました。バンドが多いコンピの中で、休憩的な感じで良いトーンダウンになればと思っています。

ー今後の予定を聞かせてください。
最近はサンプリングで曲をいくつか作っているので、まとまったらデジタルでリリースしたいと思っています。

WOOMAN

2015年活動開始。ポストパンク、インディロック、ガレージ、エモーショナルなど様々なロックの文脈を独自に昇華し常に変化し続けるロックバンド。2019年1月KiliKiliVillaよりアルバム「A NAME」をリリースしている。

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INTERVIEW for WOOMAN

ー結成の経緯を聞かせてください
「Faron Square」「AAPS」「The Beauty」「Jesse Ruins」などでの活動を経たメンバーで結成しました。その時々で ”やっていない事をやる” バンドとして始まり、変化して今に至る感じです。今後もまた変わっていくと思います。

ーバンドを形成するにあたり最も影響を受けたカルチャーについて教えてください
国内、海外ジャンル問わず音楽は聴いているので細かな影響は数々あります。MerchandiseやLower、Total Control、CAZALS、Think About LifeはWOOMANのフェイヴァリットです。新譜をレコードで買った時に何かを感じて曲を作ることが多いです。

ー曲はいつもどうやってどんな時に書いていますか? 歌詞の世界観についてもお伺いしたいです。
YYOKKE:曲は基本的には僕が歌詞と共に書いています。メロディは移動中に思い付いた鼻歌をボイスメモして持ち帰りコードを当てて仕上げていく作り方が多いです。歌詞は世の不条理や実体験に基づく哲学などについての内容が多いです。ラブソングはあまり無いですね。

ーアートワークやデザインに対する考え方やについても教えてください
YYOKKE: 僕個人的にですが、ビジュアルを作りたいが為にバンドを始めた部分もあるので、無くてはならない要素だと考えています。また、聴き手にイメージを膨らましてもらう、想像してもらう為にも必要不可欠です。これまでは異次元空間で生まれた誰も知らない架空のスケートブランドのノリでマーチャンダイズを作ってきましたが今後もその方向で作っていく所存です。

ー今現在メンバー間で注目しているものなどあれば教えてください
これからの音楽、演劇、映画など芸術の在り方、表現方法などの行方について。あと、飲食店の座席の感覚・距離についても注目しています。

ーコンピ収録曲について教えてください
最新曲なので選びました。"歴史は夜つくられる"という言葉からインスパイアされて書いたものです。ライブハウスやクラブで出会ったもの、生まれたもので今の自分たちが形成されているということを忘れてはならないと思っています。

ー今後の予定を聞かせてください
「WOOMAN RADIO」というラジオを始めました。(毎週月曜日更新)
また次のレベルを目指して新曲を作り始めていて、まとまったものを今年中リリース目指しで進めています。



LINER NOTES

このコンピレーション・カセット『Destruct Tapes #1』は、東京を拠点に活動するインディー・バンド、WOOMANが編纂したものである。発端は、彼らの主催イヴェントで、WOOMANが共感するバンド/DJを誘うという〈Destruct Session〉。2020年1月29日、下北沢SHELTERで第一回を開催した際に、バンドが手応えを感じたことで、コンピの制作を思いついたという。筆者もその日、会場に足を運んでいたのだが、若く尖った若者たちが集結し、混沌とした熱量がフロアに渦巻くさまは、ここから何かが始まりそうな予感に溢れていた。本コンピは、WOOMANの自主レーベルであるHerheadsと、これまでWOOMANの音源をリリースしてきたKiliKiliVillaによるダブル・ネームでの制作。〈Destruct Session #1〉の出演バンドを中心に、いま東京で新たなムーヴメントを作り上げんとしている8組の新曲(あるいは未発表曲)を収録している。

参加アーティストを見ていこう。まずはカセットA面から。1曲目にヴェイパー風味 のシンセサイザー・サイケデリア“Open Your Eyes”を提供したRGB foreverは東京の映像作家/トラックメイカー、とのことだが実はあまり情報がない。インターネットを丹念に探ってみると、Jesse Ruinsが2011年に発表した楽曲“Dream Analysis (White Wear Remix)”のミュージック・ビデオを手掛けていることがわかった。なお、White WearはWOOMANのYYOKKEによるソロ・ユニットであり、Jesse Ruinsは、WOOMANメンバーの出自でもある国内チルウェイヴ・シーンを牽引したレーベル、Cuz Me Painの代表的なアーティスト。とすれば、RGB foreverも、その界隈の1人と見ていいのではないだろうか。

2曲目に登場のWaaterは、〈ネオ・パンク〉を標榜する4人組。後述するUsとともにコレクティヴ、SPEEDを主宰しており、インディー・ロックからダンス・ミュージック、ヒップホップなど音楽面ではさまざまに分岐した新世代の交差を意識的に加速させようとしている重要バンドだ。ここでは焦燥感に溢れたニューウェーヴ・パンク“Heroes”を提供している。

続くThe Cabinsは2019年に結成。彼らの“The Door of Reminiscence”は、ウォークメンや古くはヴェルヴェッツを思わせるNYアンダーグラウンド直系のロックンロール。曲のそこかしこから香り立つ耽美性と官能性は、彼らが影響を受けているというジャン・コクトーに由来したものか。そしてA面の最後を飾るのは、2018年結成のPsychoheads。荒々しい音像とともに、やけっぱちな衝動をぶつけた“Running Out”は、シェイムやアイドルズら昨今のUKロック新世代と共振している。

B面は、NEHANNの“Concealment”からスタート。2019年結成、全身を黒で包んだ5人組は、シスターズ・オブ・マーシーやホラーズ、クリスタル・スティルツといったバンドを彷彿とさせるゴシックなサイケ・ガレージを鳴らしている。続くUsは、Waaterのメンバー2人に、フロントマンのKen truthsを加えたトリオ。トラップやベース・ミュージック的な打ち込みのビートは今様ながら、そこにノイジーなツイン・ギターと、カリスマとチンピラの間を行き来するかのようなロックンロール・ヴォーカルが乗るさまがおもしろい。Ken Truthsは、ソロでの活動に加え、同じく新世代のポップ・ユニット、S亜TOH周辺とも積極的にコラボを重ねており、このシーンにおけるアイコンの1人と言えそうだ。

7曲目は、DUPPSYによるローファイなインディー・ディスコ“Those days”。彼は、Cuz Me Painが栄華を誇った2010年前後に〈仙台にこのイヴェントあり〉と言われたインディー・パーティー、AFTER DARKで活動を始めたトラックメイカー。最近では東京発レーベル、Solitude Solutionsのコンピレーションにも参加していた。そのコンピ『SOLITAIRE』には、前述のWhite Wearや元Jesse RuinsのNobuyuki Sakumaによるプロジェクト、CVNらも名を連ねている。2000年代から現在にいたるインディー・シーンの連続性を提示した一枚として、『Destruct Tapes #1』とあわせて聴いてみてほしい。

そして、最後は首謀者であるWOOMANの新曲“Night Dreamer”。バンドのインスピレーション源だった昨今のエモ/オルタナ・リヴァイヴァルに通じる武骨なサウンドながら、これまでになく洒脱なギター・リフや軽やかなビートが印象的。オールタイム・フェイヴァリットのひとつにシンク・アバウト・ライフを挙げる彼らならではのインディー・センスが垣間見える1曲だ。

こうやって参加した8組を見ていくと、この1,2年で結成された超が付くほどにフレッシュなニューカマーをメインに据えつつ、そこにWOOMANも含めたCuz Me Pain~チルウェイヴ世代のアクトが混ざってていることに気づく。しかし、そもそもCuz Me Painとは何なのか。2020年代に突入したいま、あらためて10年前を振り返ってみるのもいいだろう。

2000年代後半、USインディーのサイケ/バレアリック化が進むうえで、酩酊感に溢れたベッドルーム産ディスコが同時多発的に誕生した。チルウェイヴ/グローファイと言われたそれらは、ウォッシュド・アウトやトロ・イ・モワ、スモール・ブラックらを代表アーティストとしながら、ここ日本のインディー・リスナーも強く魅了。そして、そうした海外の潮流と同じ志向性(嗜好性)を持ったアーティストが、東京を中心に次々と登場する。前述したJesse RuinsやThe Beauty(ことODAもまたWOOMANのメンバーである)、YYOKKEとODAによるFaron Square、現在は札幌でギャラリー〈TWLV〉を経営するTSKKAと現在WOOMANのベーシストであるYUUKIが在籍したAAPS――彼らが中心となり運営していたのがCuz Me Painである。

2010年から2013年にかけて、Cuz Me Painは、いくつかのオリジナル音源に加えて、計3作のコンピレーションをリリース。いまもカルト的な人気を誇る京都のHotel Mexico、現在はテクノ・シーンで存在感を示すSapphire Slowsらもコンピを彩った。またレーベルの面々もそれぞれに羽ばたき、Jesse RuinsはUKの大手優良メディア、Guardianに採り上げられ、同国のインディー・レーベル、Double Denimからリリース。The Beautyは瀧見憲司率いる国内の名門、Crue-Lからアルバムを発表した。

以降〈月日が経ち、じょじょに音楽性も離れていき、まぁよくある感じでCuz Me Painは自然に終了〉というそれぞれのその後についてはAVYSSに掲載されたインタビューに詳しいので割愛するが、重要なポイントはこのコンピが、2010年前後のインディー・カルチャーを形作った旧世代による、2020年以降の未来を描くであろう新世代インディー・ミュージックのパッケージということだ。

昨年、筆者がYYOKKEと話したとき、彼は〈昔のCuz Me Pain周辺に近いようなインディーのコミュニティーが若い世代にできてるんだよね〉と興奮気味に話してくれたことを覚えている。WOOMANは主催イヴェント〈Destruct Session〉を経て、新しいインディーの胎動を世に伝えたいと思った。そこには上の世代ならではのある種の使命感もあったのかもしれない。

『C86』や『Pillows & Prayers』は言わずもがな、インディー・ミュージックの歴史においては多くのコンピレーションが、ある時代に起きたささやかなカルチャー/ムーヴメントを後世に語り継いできた。もちろんCuz Me Painの3作もその一部にあたる。『Destruct Tapes #1』がまとめたものは、とても小さなサークルのなかでの動きではあるが、いまの東京を色付ける最前線のひとつであることも間違いないのだ。

巨視的なロック・ヒストリーにおいては、ここに収録された8組は、いずれ忘れ去られてしまう存在なのかもしれない。むしろ、その可能性が大きいのだろう。だが、まだ海のものとも山のものともつかぬバンドならではの〈何もできないのかもしれないけど、何だってできる〉という根拠のない確信が宿した8つの輝きは、何者にもかえがたい。それを後世になって発見するのも悪くないが、同時代的な体験として興奮できる好機をむざむざ捨ててしまうのは惜しい。なぜなら、彼らはすべて、いま生き、音を鳴らしているのだ。破壊的なまでにね。

TEXT BY 田中亮太

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